
週末を待ちわびて。
仕事が好きだ。でも同じくらい、週末も好き。
放っておくとずっと仕事のことを考えてしまう性分だからこそ、自分の心に正直になる時間を一層大切にしなきゃいけないと思っている。
週末は、いわゆる「週末らしく」していたい。
お気に入りの喫茶店、雑貨屋、バルに美術館。
やりたいことは尽きないけど、実は少し気がかりなことがある。

先週の木曜日、夕方。
落ち着いた照明がお気に入りの喫茶店で打ち合わせをしていたとき。
渡された原稿を確認しようとするも、とにかく文字にピントが合わない。
最近見えにくいなとは思っていたけど、だんだん酷くなっている気がする。
目にギュッと力を入れて、強く瞬きをして、いろんな角度から試してみる。
「……どこかおかしいところありますか?」
ハッと我に返った。
どうしよう、私きっととんでもなく険しい顔してた…
もしかしてこれが老眼?
思い出しては不安に駆られる。
何より気がかりなのは、また同じことが起こること。
リーディンググラス、買おうかな。
でもせっかく揃えてきたアクセサリーや小物の空気を壊すようなものは持ちたくない。
眼鏡は元から好きなアイテムだからこそ、こだわりだってある。
それならこの週末は、思い切ってリーディンググラス探しに費やそう。
「モノは、試しで。」

そうして出会えた一本。
まるでずっと前から探していたような不思議な気持ち。
だけど一目惚れのような、体温があがる感覚。
素敵なものに出会えたときは、いつだってそうだ。